
BRICSについて(さらっと)
お疲れ様です!インドネシア担当鈴木でございます。
不定期にもほどがある更新、もうしわけございません!
ここ数日インドネシアでは政情不安がニュースになっていますね。閣僚への住宅手当が月約50万円、という事実が突然話題になり、デモが発生し、警察車両がデモ参加者(かどうか怪しい)の宅配バイク運転手を轢き殺してしまった事でデモが激化、他にいくつかの要求を付け加えながら全国に広がっています。ワタクシが生活しているチカランはのどかな田舎町ですが、警察署や役所でデモが発生していました。ワタクシと家族、弊社社員は今の所無事、事業も大きな遅滞なく継続中です。
確かに50万円の手当は高すぎですが、途上国における強烈な貧富の格差を俯瞰するなら何を今更、という話でもありますよね。しかしひとたび形成された世論は時に感情の奔流となって民衆の論理的思考を、冷静な議論の余地を失わせるものです。
さて、今回はBRICSのお話。日本で暮らしているとあんまり馴染みがないですよね。
BRICS=ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの頭文字。現在は正式加盟国10か国、パートナー国家12か国からなり、経済協力を模索する「政府間組織」。インドネシアは今年1月に正式加盟。GDPで世界の3割弱、人口で実に世界の約半分を占める巨大連合という事になります。一見「反米連合」に見えますが安全保障、軍事には触れず経済に特化した組織であるとされています。創設国以外のイニシャルは「+」にひっくるめられているわけですね。
前任のジョコ・ウィドド大統領は「中国ロシア寄り・反米」とみられることを嫌って加盟を避けていましたが昨年10月に就任したプラボウォ大統領は同10月中に加盟の意志を表明、今年の1月には正式加盟国に名を連ねるに至りました。
ちなみに加盟の条件は明示されておらず、メンバー各国の政治的な思惑が強く反映されると言われています。人口約3億を擁し当面は拡大局面にあるとされるインドネシアのマーケットが、既存加盟国にとって魅力に映ったのでしょう。
ではインドネシアがいずれ安全保障条約を含めて中国やロシアとの同盟路線へ向かうかと言うとそうではなく、大統領は「非同盟路線を維持する決意だ。全ての大国を尊重し、近隣諸国を尊重する」と、プーチン氏の目の前で、明言しました。大国の思惑には迎合せず経済的な連携でもって実利を追求する姿勢、以て反米でもないですよ、というアピールでもある、なかなかの立ち回りだと思います。自国経済の規模及び潜在性に強い自信をお持ちであればこそでしょう。トランプ関税でインドが対米関係を硬化させ、BRICSが反米で結束しつつあると言われる昨今、インドネシアが「全方位外交」を貫く事は国際社会において今後重要な意味を持ってくる・・・かもしれません。
ジョコウィ前大統領の路線継承を掲げて当選したプラボウォ大統領、以前にも触れましたがゴリゴリの軍属で、実際に軍部の権限を拡大しつつあります。一方で、無償給食政策をはじめ教育の改善に注力されているところもあり現時点で評価は分かれるところだと思います。
個人的にはインドネシアという国が外から見て「順調に経済成長を続ける大国でASEANの盟主、近いうちに先進国の仲間入りをしてGDPでも世界何位になる」みたいなイメージは残念、大ハズレ、合ってるのは人口が多いって所だけで中身はめちゃくちゃですよ、と思っています。内緒ですが。根拠ですか?そうですね、例えば警察や税務署等公共機関が賄賂で動きます。現在の首都ジャカルタの地盤沈下が問題になって久しいですがその主たる原因は上水道の不備に起因する、企業や家庭による地下水のくみ上げです。付け加えるなら個人的に文化の成熟度と比例すると考えているごみの分別の細かさで言うとインドネシアでは一切分別不要です。そんなレベルなんです。ただし国が本気で教育を改善するなら別です。頑張ってほしいです。
ではまた。
【蛇足】今日のヒツジ(食べちゃったけど)
去る6月(いつの話よ)チカラン・デルタマスの弊社で犠牲祭の儀式を執り行いました。周辺地域の儀式にお金を寄付させていただく事は以前にもありましたが主催は初。供物となっていただいたヒツジくんがこちらです。
かわいいですね。4万円ちょいでした。当然牛の方が高く、弊社クルーは「来年は牛にしましょうね!ケケケケケ」と言っていましたがローカルの牛肉は固くて余程煮込まないと食えたもんじゃないのでワタクシはヒツジがいいです。殺害時の執刀はハッジ(メッカ巡礼経験者)のおじさんを頼み、その後は弊社クルーが何故か慣れた手つきで解体し、
あっという間に綺麗なお肉になりました。ああっ猫が食ってる!
アンタ猫でよかったねぇ。
サテ(串焼き)とグレ(スープカレーっぽい煮込み料理)にして皆で有難く、美味しくいただきましたとさ。